中華人民共和国商標法実施条例
(2002年8月3日中華人民共和国国務院令第358号公布、2014年4月29 日中華人民共和国国務院令第651号改正)
目次
第一章 総則
第二章 商標登録の出願
第三章 商標登録出願の審査
第四章 登録商標の変更、譲渡、更新 第五章 マドリッド商標国際登録
第六章 商標審判
第七章 商標使用の管理 第八章 商標権の保護 第九章 商標代理
第十章 附則
第一章 総則
第一条 「中華人民共和国商標法」(以下「商標法」と略称。)に基づき、本条例を制 定する。
第二条 本条例における商品商標に関する規定は、役務商標にも適用する。
第三条 商標権保有者が商標法第十三条の規定に基づいて馳名商標の保護を請求する場合には、その商標が馳名商標に該当する証拠を提出しなければならない。商標局及び商標評審委員会は、商標法第十四条の規定に基づいて、審査処理する案件の必要及び当事者の提出した証拠資料をもとに、その商標の馳名状況について認定する。
第四条 商標法第十六条に定める地理的表示は、商標法及び本条例の規定に基づき、 証明商標又は団体商標として登録出願することができる。
地理的表示が証明商標として登録される場合には、その商品が当該地理的表示の使用条件を満たす自然人、法人又はその他の組織は、当該証明商標の使用を請求することができ、当該証明商標を管理する組織はそれを承認しなければならない。地理的表示が団体商標として登録される場合には、その商品が当該地理的表示の使用条件を満たす自然人、法人又はその他の組織は、当該地理的表示を団体商標として登録した団体、協会又はその他の組織への参加を請求することができ、当該団体、協会又はその他の組織はその定款により会員として受け入れなければならない。当該地理的表示を団体商標として登録した団体、協会又はその他の組織への参加を請求しない場合であっても、当該地理的表示を正当に使用することができ、当該団体、協会又はその他の組織はそれを禁止する権利を有しない。
第五条 当事者が商標代理機構に、商標登録出願又はその他の商標関連手続を委託する場合には、代理委託書を提出しなければならない。代理委託書には、代理内容及びその権限を明記しなければならない。外国人又は外国企業の代理委託書には、委託人の国籍を明記しなければならない。
外国人又は外国企業の代理委託書及びその関連証明書類の公証、認証手続は、対等の原則に基づき行わなければならない。
商標登録出願又は商標権の譲渡にあたり、商標登録出願人又は商標権譲渡の譲受人が外国人又は外国企業である場合には、願書において、商標局、商標評審委員会の後続の商標業務に関する法律文書を受け取る中国国内の受取人を指定しなければならない。商標局、商標評審委員会の後続の商標業務に関する法律文書は、中国国内の受取人に送達する。
商標法第十八条にいう外国人又は外国企業とは、中国に恒常的居所又は営業所を有していない外国人又は外国企業をいう。
第六条 商標登録出願又はその他の商標関連手続を行う場合には、中国語を使用しなければならない。
商標法及び本条例の規定に従って提出する各種の証書、証明書類及び証拠資料が外国語のものである場合には、中国語訳文を添付しなければならない。それを添付していない場合には、当該証書、証明書類又は証拠資料を提出しなかったとものとみなす。
第七条 商標局、商標評審委員会の職員が以下に掲げるいずれかに該当する場合には、 忌避しなければならない。当事者又は利害関係人は、その忌避を請求することができる。
(1)当事者若しくは当事者又は代理人の近親者である場合
(2)当事者又は代理人とその他の関係を有し、公正を妨げるおそれがある場合
(3)商標登録出願又はその他の商標関連手続について利害関係を有する場合
第八条 商標法第二十二条に定める電子文書方式により商標登録出願等の関連書類を提出する場合には、商標局又は商標評審委員会の規定に基づきインターネットを通じて提出しなければならない。
第九条 本条例第十八条に定める場合を除き、当事者が商標局又は商標評審委員会に 提出する書類又は資料の提出日について、手交する場合には、手交日を提出日とし、郵送する場合には、差出しの消印日を提出日とし、消印が明らかでない又はない場合には、商標局又は商標評審委員会が実際に受取った日を提出日とする。ただし、当事者が実際の消印日の証拠を提出する場合を除く。郵政企業以外の宅配業者を通じて提出した場合には、宅配業者が実際に集荷発送した日を提出日とする。集荷発送日が不明である場合には、商標局又は商標評審委員会が実際に受取った日を提出日とする。ただし、当事者が実際の集荷発送日の証拠を提出する場合は除く。電子文書方式で提出した場合には、商標局又は商標評審委員会の電子システムに入った日を提出日とする。
当事者は、商標局又は商標評審委員会に書類を郵送する場合には、受取証が付く郵便を利用しなければならない。
当事者が商標局又は商標評審委員会に提出する書類について、書面により提出した場合には、商標局又は商標評審委員会の保存するファイルの記録に準ずる。電子文書方式で提出した場合には、商標局又は商標評審委員会のデータベースの記録に準ずる。ただし、当事者が商標局又は商標評審委員会のファイル、データベースの記録に誤りがあることを確かに証明できる場合を除く。
第十条 商標局又は商標評審委員会は、各種書類を郵送、手交、電子的方式又はその 他の方式によって当事者に送達することができる。電子的方式により当事者に送達する場合、当事者の同意を得なければならない。当事者が商標代理機構に委託する場合には、書類を当該代理機構に送達したことにより、当事者に送達したものとみなす。
商標局又は商標評審委員会が当事者に各種書類を送達する送達日について、郵送した場合には、当事者受取りの消印日を提出日とし、消印が明らかではない若しくはない場合、書類を発送した日から15日の満了をもって当事者に送達したものとみなす。ただし、当事者が実際の受取日を証明する場合を除く。手交した場合には、手交日を提出日とする。電子文書により送達した場合には、書類を発送した日から15日の満了をもって当事者に送達したものとみなす。ただし、書類がその電子システムに入った日を証明できる場合を除く。上記方式により書類を送達することができない場合には、公告をもって当事者に送達したものとすることができ、公告を公布した日から30日の満了をもって当事者に送達したものとみなす。
第十一条 下記の期間は、商標審査及び審理の期間に計上しない。
(一)商標局又は商標評審委員会の書類が公告により送達される期間
(二)当事者が証拠の補足又は書類の補正を必要とする期間、及び当事者変更により再答弁が必要とされる期間
(三)同日出願について、使用証拠提出及び協議、抽選が必要とされる期間
(四)優先権の確定を待つ期間
(五)審査及び審理中に、事件の申請人の請求により、先行権利事件の審理結果を待つ期間
第十二条 本条第二項の規定以外に、商標法及び本条例に定める各種期間の初日は期間内に計上しない。年又は月で期間を計算する場合、期間の最後の月の対応日を期間満了日とする。その月に対応日がない場合、その月の最後の日を期間満了日とする。期間満了日が休祭日である場合、休祭日後の最初の営業日を期間満了日とする。
商標法第三十九条、第四十条に定める登録商標の有効期間は、法定日より起算し、期間の最終の月の対応日の前日を期間満了日とし、その月に対応日がない場合には、その月の最後の日を期間満了日とする。
第二章 商標登録の出願
第十三条 商標登録出願する場合、公布された商品及び役務分類表に基づいて、記入、 出願しなければならない。商標登録出願一件毎に、「商標登録願書」1通、商標見本1 部を提出しなければならない。色彩の組合せ又は着色見本を商標登録出願する場合には、着色見本のほかに、白黒見本を1部提出しなければならない。色彩を指定しない場合、白黒見本を提出しなければならない。
商標見本は、明瞭で、貼付しやすく、光沢のある丈夫な紙に印刷されたものとし、又は代用写真を用いることとしなければならない。縦及び横が、10cmを超えず、5c mを下回らない大きさのものでなければならない。
立体的形状を商標登録出願する場合には、その旨を願書に声明し、商標の使用方式を説明するとともに、立体的形状を確定できる見本を提出しなければならない。提出する商標見本は少なくとも三面図を含まなければならない。
色彩の組合せを商標登録出願する場合には、その旨を願書に声明し、商標の使用方式を説明しなければならない。
音声標識を商標登録出願する場合には、その旨を願書に声明し、要件に適う音声見本を提出するとともに、登録出願する音声商標、商標の使用方式を説明しなければならない。音声商標を説明する場合には、五線譜又は略譜により商標として出願する音声について説明すると共に、文字説明を添付しなければならない。五線譜又は略譜により説明
できない場合には、文字により説明しなければならない。商標に対する説明は音声見本と一致しなければならない。
団体商標、証明商標を登録出願する場合には、その旨を願書に声明し、主体資格証明書類と使用管理規則を提出しなければならない。
商標が外国語文字である又は外国語文字を含む場合には、その意味を説明しなければならない。 第十四条 商標登録出願する場合、出願人は身分証明書を提出しなければならない。 商標登録出願人の名義はその提出した証明書類と一致しなければならない。
前項の出願人がその身分証明書を提出することに関する規定は、商標局に提出する変更、譲渡、更新、異議、取消等その他の商標出願関連事項にも適用する。
第十五条 商品又は役務に関する項目の名称は、商品 役務分類表に記載された分類番号及び名称に基づき記入されなければならない。商品又は役務に関する項目の名称が商品 役務分類表に記載されていない場合には、当該商品又は役務の説明を添付しなければならない。
商標登録出願等の関係書類は、紙文書で提出する場合には、タイプ又は印刷されたものでなければならない。
本条第二項の規定は、その他の商標出願関連事項にも適用する。
第十六条 同一の商標を共同で商標登録出願する又はその他の共同商標関連手続きを行う場合には、願書において代表者を一名指定しなければならない。代表者の指定がない場合には、願書の一番目に記載された者を代表者とする。
商標局及び商標評審委員会の文書は代表者に送達しなければならない。
第十七条 出願人がその名義、住所、代理人、書類受取人を変更し、又は指定商品を 減縮する場合には、商標局に変更手続を行わなければならない。 出願人がその商標登録出願を譲渡する場合には、商標局に譲渡手続を行わなければならない。
第十八条 商標登録の出願日は、商標局が出願書類を受け取った日とする。
商標登録出願手続が完備され、出願書類が規定のとおりに記入され、費用が支払われた場合には、商標局はこれを受理し、出願人に通知する。出願手続に不備があり、出願書類が規定のとおりに記入されていない又は費用が支払われていない場合には、商標局はこれを受理せず、書面により出願人に通知し、理由を説明する。出願手続が基本的に完備され又は出願書類が基本的に規定を満たしているが、補正を必要とする場合には、商標局は出願人に補正するよう通知し、通知を受け取った日から30日以内に指定した
内容に基づき補正し、商標局に再提出するよう求める。規定の期間内に補正し商標局に再提出した場合には、出願日を維持する。期間内に補正しなかった又は求めのとおりに補正しなかった場合には、商標局はこれを受理せず、出願人に書面で通知する。
本条第二項に定める受理の条件に関する規定は、その他の商標事項にも適用する。第十九条 二又は二以上の出願人が、同一又は類似する商品について、同一又は類似 する商標をそれぞれ同日に登録出願した場合、各出願人は商標局の通知を受け取った日 から30日以内に、その登録出願前に当該商標を使用した証拠を提出しなければならない。同日に使用し又はいずれも使用していなかった場合、各出願人は、商標局の通知を受け取った日から30日以内に、自発的に協議することができ、かつ、協議書を商標局に送付しなければならない。協議に応じられない又は協議が整わなかった場合、商標局は、各出願人に、抽選で出願人一名確定するよう通知し、その他の出願人による登録出願を拒絶する。商標局が通知したにもかかわらず出願人が抽選に参加しなかった場合、出願を放棄したものとみなす。商標局はその旨を書面により抽選に参加しなかった出願人に通知しなければならない。
第二十条 商標法第二十五条の規定に基づき優先権を主張する場合には、出願人が第一国に提出した商標登録出願書類の副本は、当該出願を受理した商標主管機関により証明されたものであり、かつ、出願日と出願番号が明記されたものでなければならない。
第三章 商標登録出願の審査
第二十一条 商標局は、受理した商標登録出願について、商標法及び本条例の関連規定に基づき審査し、その登録出願が規定を満たした場合又は一部の指定商品について登録要件を満たした場合には、これを初歩査定し、公告する。商標登録出願が規定を満たさなかった又は一部の指定商品について登録要件を満たさなかった場合には、これを拒絶し又はその一部の指定商品について商標を使用することを拒絶し、かつ、書面により出願人に通知し、その理由を説明する。
第二十二条 商標局が一部の指定商品について商標登録出願を拒絶する場合、出願人は、当該出願の初歩査定された一部の出願を別の出願に分割することができ、分割後の出願は、ものと出願の出願日を維持する。
分割する必要がある場合には、出願人は商標局の「商標登録出願一部拒絶通知書」を受け取った日から15日以内に、商標局に分割出願を提出しなければならない。
商標局は分割出願を受け取った後、もとの出願を二件に分割し、分割された初歩査定出願に新しい出願番号を与え、公告しなければならない。
第二十三条 商標法第二十九条の規定により、商標局が商標登録出願の内容について説明又は補正する必要があると判断した場合には、出願人は商標局の通知を受け取った日から15日以内に説明又は補正しなければならない。
第二十四条 商標局に初歩査定され、かつ、公告された商標について異議を申し立てる場合には、異議申立人は、商標局に下記の異議申立資料を一式二部提出し、正本、副本と明記しなければならない。
(一)商標異議申立書
(二)異議申立人の身分証明書
(三)商標法第十三条第二項と第三項、第十五条、第十六条第一項、第三十条、第三十一条、第三十二条の規定に違反したとして異議を申し立てる場合、異議申立人は先行権利者又は利害関係人である証明を提出しなければならない。
商標異議申立書に明確な請求と事実根拠を記入し、関連証拠資料を添付しなければならない。
第二十五条 商標局は異議申立書を受け取った後、審査を経て受理条件を満たすと判断した場合には、それを受理し、申立人に受理通知書を送付する。
第二十六条 商標異議申立てが下記のいずれかに該当する場合には、商標局はそれを受理せず、書面により申立人にその旨を通知し、理由を説明する。
(一)法定期間内に提出しなかった場合
(二)申立人の主体資格、異議理由が商標法第三十三条の規定を満たさなかった場合
(三)明確な異議理由、事実と法的根拠がない場合
(四)同一異議申立人が同一理由、事実及び法的根拠をもって、同一商標について再度異議申立書を提出した場合
第二十七条 商標局は、商標異議申立資料の副本を適時に被異議申立人に送付し、商標異議申立資料の副本を受け取った日から30日以内に答弁させなければならない。被申立人が答弁しなくとも商標局による決定は妨げられない。
当事者は、異議申立書を提出した又は答弁した後、関連証拠資料を補充する必要がある場合には、商標異議申立書又は答弁書にその旨を声明し、かつ、商標異議申立書又は答弁書を提出した日から3ヶ月以内に提出しなければならない。期間内に提出しなかった場合には、当事者は関連証拠資料の補充を放棄したものとみなす。ただし、期間満了後に発生した証拠、又は当事者がその他の正当な理由をもって期間満了前に提出できない証拠を期間満了後に提出した場合には、商標局は当該証拠を相手方当事者に提示し、かつ、反対尋問を経てそれを採用することができる。
第二十八条 商標法第三十五条第三項及び第三十六条第一項にいう不登録決定は、一部の指定商品についての不登録決定を含む。
異議を申し立てられた商標は、商標局が登録を決定するか、又は登録をしない決定をする前に、登録公告が発行された場合には、その登録公告を取り消す。審査により異議が成立せず登録を認められた場合には、登録を認める決定が発効した後、改めて登録公告を掲載する。
第二十九条 商標登録出願人又は商標登録人が、商標法第三十八条の規定に基づき訂正申請を提出する場合には、商標局に訂正申請書を提出しなければならない。訂正条件を満たした場合には、商標局はそれを承認した後に関連内容を訂正する。訂正条件を満たさなかった場合には、商標局はそれを承認せず、申請人にその旨を通知し、理由を説明する。
既に初歩査定公告又は登録公告を掲載された商標は、訂正後に、訂正公告を掲載する。
第四章 登録商標の変更、譲渡、更新
第三十条 商標登録人の名義、住所又はその他の登録事項を変更する場合には、商標 局に変更申請書を提出しなければならない。商標登録人の名義を変更する場合には、さらに関係登録機関が発行した変更証明書類を提出しなければならない。商標局は、承認した後、商標登録人に相応の証明を付与し、かつ、公告する。承認しなかった場合には、書面により申請人に通知し、その理由を説明しなければならない。
商標登録人の名義又は住所を変更する場合には、商標登録人はその登録商標の全部を一括して変更しなければならない。一括して変更しなかった場合には、商標局は期間内に補正するよう通知する。期間内に補正しなかった場合には、変更申請を放棄したものとみなし、商標局はその旨を書面により申請人に通知しなければならない。
第三十一条 登録商標を当事者間の協議により譲渡する場合には、譲渡人と譲受人は商標局に「登録商標譲渡申請書」を提出しなければならない。登録商標譲渡申請の手続きは譲渡人と譲受人が共同で行う。商標局は登録商標譲渡申請を承認した後、譲受人に相応の証明書を交付し、かつ、公告する。
登録商標を譲渡する際、商標登録人がその同一又は類似する商品について登録した同一又は類似する商標を一括して譲渡しなかった場合には、商標局は期間内に補正するよう通知する。期間内に補正されなかった場合には、当該登録商標の譲渡申請を放棄したものとみなし、商標局はその旨を書面により申請人に通知しなければならない。
第三十二条 譲渡以外の継承等その他の理由により、商標権の移転が発生する場合には、当該商標権を受ける当事者は、関係証明書類又は法律文書をもって、商標局に商標権の移転手続をしなければならない。
商標権を移転する場合には、商標権者は、同一又は類似する商品について登録した同一又は類似する商標を一括して移転しなければならない。一括して移転しなかった場合には、商標局は期間内に補正するよう通知する。期間内に補正しなかった場合には、当該登録商標移転申請を放棄したものとみなし、商標局は書面により申請人にその旨を通知しなければならない。
商標移転申請を承認した後、それを公告する。当該商標権の移転を受ける当事者は、公告日から商標専用権を有することになる。
第三十三条 登録商標の更新登録をする必要がある場合には、商標局に商標更新登録申請書を提出しなければならない。商標局はそれを承認し、相応の証明書を発行し、かつ、公告する。
第五章 マドリッド商標国際登録
第三十四条 商標法第二十一条に定める商標国際登録とは、「標章の国際登録に関するマドリッド協定」(以下「マドリッド協定」という。)、「標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書」(以下「マドリッド議定書」という。)及び「標章の国際登録に関するマドリッド協定及びその協定議定書の共同実施細則」の規定に基づいて出願するマドリッド商標国際登録をいう。
マドリッド商標国際登録出願は、中国を第一国とする商標の国際登録出願、中国を指定する領域指定出願及びその他関連出願を含む。
第三十五条 中国を第一国として商標国際登録を出願する場合、中国において真実で有効な営業場所を設けているか、中国において住所を有するか、又は中国国籍を有しなければならない。
第三十六条 本条例第三十五条の規定を満たす出願人は、その商標が既に商標局に登録されている場合、マドリッド協定に基づいて当該商標の国際登録を出願することができる。
本条例第三十五条の規定を満たす出願人は、その商標が既に商標局に登録され、又は商標局に商標登録出願を提出し受理された場合、マドリッド議定書に基づいて同商標の国際登録を出願することができる。
第三十七条 中国を第一国として商標国際登録を出願する場合、商標局経由で世界知的所有権機関国際事務局(以下「国際事務局」という。)に出願しなければならない。
中国を第一国とする場合、マドリッド協定に関連する商標国際登録の事後指定、放棄、取消は、商標局経由で国際事務局に出願しなければならない。マドリッド協定に関連する商標国際登録の譲渡、削減、変更、更新は、商標局経由で国際事務局に出願することもできれば、直接に国際事務局に出願することもできる。
中国を第一国とする場合、マドリッド議定書に関連する商標国際登録の事後指定、譲渡、削減、放棄、取消、変更、更新は、商標局経由で国際事務局に出願することもできれば、直接に国際事務局に出願することもできる。
第三十八条 商標局経由で国際事務局に商標国際登録出願及びその他関連出願事項を行う場合、国際事務局と商標局の要求を満たす願書及び関連書類を提出しなければならない。
第三十九条 商標国際登録出願の指定商品又は役務は、国内の基礎出願又は基礎登録の商品又は役務の範囲を超えてはならない。
第四十条 商標国際登録出願の手続に不備があり、又は出願書類が規定のとおりに記入されていない場合、商標局はこれを受理せず、出願日を維持しない。
出願手続が基本的に完備し又は出願書類が基本的に規定を満たしているが、補正を必要とする場合、出願人は補正通知書を受け取った日から30日以内に補正しなければならない。期間内に補正しなかった場合、商標局はこれを受理せず、その旨を書面により出願人に通知する。
第四十一条 商標局経由で国際事務局に商標国際登録出願及びその他関連出願事項を行う場合、規定に従って費用を納付しなければならない。
出願人は商標局の費用納付通知書を受け取った日から15日以内に、商標局に費用を納付しなければならない。期間内にも納付しなかった場合、商標局はその出願を受理せず、その旨を書面により出願人に通知する。
第四十二条 商標局はマドリッド協定又はマドリッド議定書に規定される拒絶期間 (以下「拒絶期間」という。)内に、商標法及び本条例の関連規定に従って中国を指定する領域指定出願を審査し、決定を下し、国際事務局に通知する。商標局が拒絶期間内に拒絶又は一部を拒絶する旨の通知を送付しなかった場合、当該領域指定出願は承認されたものとみなす。
第四十三条 中国を指定する領域指定出願人は、立体的図形、色彩の組合せ、音声標識を商標として保護するか、又は団体商標、証明商標として保護を要求する場合、同商標が国際事務局の国際登録簿に登録された日から3ヶ月以内に、法に従って設立した商標代理機構を通じて、商標局に本条例第十三条に規定される関連資料を提出しなければならない。上記期間内に関連資料を提出しなかった場合、商標局は当該領域指定出願を拒絶する。
第四十四条 世界知的所有権機関は、商標国際登録の関連事項を公告する。商標局は、 別途公告しない。
第四十五条 中国を指定する領域指定出願に対し、世界知的所有権機関の「国際商標公報」が出版された翌月の1日から3ヶ月以内に、商標法第三十三条に規定される条件を満たす異議申立人は、商標局に異議申立てを提出することができる。
商標局は、拒絶期間内に、異議申立ての関連状況を拒絶決定の形で国際事務局に通知する。
被異議申立人は、国際事務局から転送された拒絶通知書を受け取った日から30日以内に答弁することができる。答弁書及び関連証拠資料は、法に従って設立した商標代理機構を通じて提出しなければならない。
第四十六条 中国で保護を取得した国際登録商標の有効期間は、国際登録日又は後に指定する日から起算する。有効期間が満了する前に、登録人は、国際局に更新を請求することができ、有効期間内に更新を請求しない場合、6 ヶ月の猶予期間を与えることができる。商標局は、国際局の更新通知を受け取った後、法に基づいて審査を行う。国際局が更新しない旨通知した場合、当該国際登録商標を抹消する。
第四十七条 中国を指定する領域指定出願の譲渡手続を行う場合、譲受人は締約国に真実で有効な営業所を有するか、締約国に住所を有するか、又は締約国の国民でなければならない。
譲渡人は、その同一又は類似する商品若しくは役務について登録した同一又は類似する商標を一括して譲渡しなかった場合、商標局は国際商標登録人に、通知を出した日から3ヶ月以内に補正するよう通知する。期間満了しても補正しておらず、又は譲渡により混同又はその他の悪い影響をきたすおそれがある場合、商標局は、当該譲渡が中国において無効である旨の決定を出し、国際事務局に声明する。
第四十八条 中国を指定する領域指定出願の減縮を行う際、減縮した後の商品又は役務が、中国の商品若しくは役務の分類に関する要件を満たさず、又はもとの指定商品若しくは役務の範囲を超えている場合には、商標局は、当該減縮が中国において無効である旨の決定を出し、国際事務局に声明する。
第四十九条 商標法第四十九条第二項に基づき、国際登録商標の取消しを請求する場 合、当該商標国際登録出願の拒絶期間満了日から3年満了後に、商標局に請求しなければならない。拒絶期間の満了時においても、再審又は異議に関係する手続期間中である場合、商標局又は商標評審委員会による登録を認める決定の発効日より3年満了後に、商標局に申請しなければならない。
商標法第四十四条第一項の規定に基づき、国際登録商標の無効宣告を請求する場合、同商標国際登録出願の拒絶期間の満了後に、商標評審委員会に請求しなければならない。拒絶期間満了時に、再審又は異議に関係する手続きが拒絶された場合、商標局又は商標 評審委員会による登録を認める決定が発効した後、商標評審委員会に請求しなければな らない。
商標法第四十五条第一項の規定に基づき、国際登録商標の無効宣告を請求する場合、同商標国際登録出願の拒絶期間が満了した日から5年以内に、商標評審委員会に請求しなければならない。拒絶期間満了時に、再審又は異議に関係する手続きが拒絶された場合、商標局又は商標評審委員会による、登録を認める決定の発効日から5年以内に、商標評審委員会に請求しなければならない。悪意による登録については、馳名商標の所有者は、5年の時間制限を受けない。
第五十条 商標法及び本条例の以下の条項の規定は、商標国際登録に関する手続きに 適用されない。
(一)商標法第二十八条、第三十五条第一項に定める審査及び審理期間に関する規定
(二)本条例第二十二条、第三十条第二項
(三)商標法第四十二条及び本条例第三十一条に定める、商標譲渡は、譲渡人及び受譲人が共同で申請し、手続きを行うことに関する規定
第六章 商標審判
第五十一条 商標審判とは、商標評審委員会が商標法第三十四条、第三十五条、第四十四条、第四十五条、第五十四条の規定に基づき、商標紛争事項を審理することをいう。当事者が商標評審委員会に商標審判を請求するにあたって、明確な請求、事実、理由及び法的根拠がなければならず、関連証拠を提出しなければならない。
商標評審委員会は、事実に基づき、法に従って審判を行う。
第五十二条 商標評審委員会は、商標局の商標登録出願拒絶決定に不服がある再審事 件を審理するにあたって、商標局の拒絶決定及び出願人が再審を請求した事実、理由、請求及び審判時の事実状態等を踏まえて審理を行わなければならない。
商標評審委員会は、商標局の商標登録出願拒絶決定に不服がある再審事件を審理するにあたって、出願商標が商標法第十条、第十一条、第十二条と第十六条第一項に規定する場合に該当し、商標局が上記条項に基づいて拒絶決定をしていない場合、上記条項に基づいて再審を求める請求を拒絶する決定を下すことができる。商標評審委員会は、再審決定を下す前に、出願人の意見を聴取しなければならない。
第五十三条 商標評審委員会は、商標局の不登録決定に不服がある再審事件を審理するにあたって、登録を認めない商標局の決定及び出願人が再審を申立てた事実、理由及び異議申立人が提出した意見について審理を行わなければならない。
商標評審委員会は、商標局の不登録決定に不服がある再審事件を審理するにあたって、異議申立人に参加し、意見を提出するよう通知しなければならない。異議申立人の意見
が事件の審理結果に実質的に影響する場合、審判の理由とすることができる。異議申立人が参加せず、又は意見を提出しなかった場合、事件の審理に影響しない。
第五十四条 商標評審委員会は、商標法第四十四条、第四十五条に基づいて登録商標の無効宣告を請求する事件を審理するにあたって、当事者の請求と答弁した事実、理由及び請求について審理を行わなければならない。
第五十五条 商標評審委員会は、商標局が商標法第四十四条第一項の規定に基づき下 した登録商標無効宣告決定に不服がある再審事件を審理するにあたって、商標局の決定 及び申立人が再審を請求した事実、理由及び請求について審理を行わなければならない。
第五十六条 商標評審委員会は、商標局が商標法第四十九条の規定に基づき下した登 録商標取消決定又は維持決定に不服がある再審事件を審理するにあたって、商標局が登 録商標取消決定又は維持決定を下す際、及び当事者が再審を請求した際に依拠した事実、理由及び請求について審理を行わなければならない。
第五十七条 商標審判を請求する場合、商標評審委員会に請求書を提出し、同時に相手側当事者の数に相応する部数の副本を提出しなければならない。商標局の決定書に基づき再審を請求する場合、同時に商標局の決定書副本を提出しなければならない。
商標評審委員会は、請求書を受け取った後、審査を経て、受理条件を満たしたものは受理し、受理条件を満たさなかったものは受理せず、書面によりその旨を請求人に通知し、理由を説明する。補正する必要がある場合、請求人に対して、通知書を受け取った日から30日以内に補正するよう通知する。補正しても規定を満たさない場合、商標評審委員会はこれを受理せず、書面により請求人にその旨を通知し、理由を説明する。期間内に補正しなかった場合、請求を取り下げたものとみなし、商標評審委員会は書面によりその旨を請求人に通知しなければならない。
商標評審委員会は、商標審判の請求を受理した後に、受理条件を満たさないことを発見した場合、これを拒絶し、書面により請求人にその旨を通知し、理由を説明する。
第五十八条 商標評審委員会は、商標審判の請求を受理した後、適時に請求書副本を相手側当事者に送付し、請求書副本を受け取った日から30日以内に答弁するよう要求する。期間内に答弁しなかった場合であっても、商標評審委員会の審判は妨げられない。
第五十九条 当事者は審判の請求を提出した後又は答弁した後に、関係証拠を補充する必要がある場合、請求書又は答弁書にその旨を声明し、請求書又は答弁書を提出した日から3ヶ月以内に提出しなければならない。期間内に提出しなかった場合、関係証拠の補充を放棄したものとみなす。ただし、期間満了後に発生した証拠、又は当事者に期間満了前に提出できないその他の正当な理由がある証拠については、期間満了後に提出した場合、商標評審委員会は証拠を相手側当事者に提示し、かつ、反対尋問を経てそれを採用することができる。
第六十条 商標評審委員会は当事者の要求に応じて、又は情状により、審判の請求に対して口頭審理を行うことができる。
商標評審委員会は、審判の請求について口頭審理を行うことを決定した場合、口頭審理の15日前までに書面により当事者に通知し、口頭審理の期日、場所及び審判官を知らせる。当事者は通知書に指定された期間内に回答しなければならない。
申立人が回答もせず口頭審理にも参加しなかった場合、審判の請求を取り下げたとみなし、商標評審委員会は書面により請求人にその旨を通知する。被請求人が回答もせず口頭審理にも参加しなかった場合、商標評審委員会は欠席のまま審判を行うことができる。
第六十一条 請求人は、商標評審委員会が決定、裁定を下す前に、書面により商標評審委員会に請求の取下げを要求し、理由を説明することができる。商標評審委員会が取下げを認めた場合、審判手続は終結する。
第六十二条 請求人が商標審判の請求を取り下げた場合、同じ事実又は理由により再び審判を請求することはできない。商標評審委員会は商標審判の請求に対し、既に裁定又は決定を下した場合、何人も同じ事実又は理由により再び審判を請求することはできない。ただし、不登録再審手続を経て登録を許可された後に、商標評審委員会に登録商標の無効宣告を請求する場合は除く。
第七章 商標使用の管理
第六十三条 登録商標を使用する場合、商品、商品の包装、説明書又はその他の付随するものに「登録商標」又は登録マークを表記することができる。
登録マークには注と が含まれる。登録マークを使用する場合、商標の右上又は右下に表記しなければならない。
第六十四条 「商標登録証」を紛失し又は破損した場合、商標局に「商標登録証」再交付申請書を提出しなければならない。「商標登録証」を紛失した場合、「商標公告」に紛失声明を掲載しなければならない。破損した「商標登録証」は、再交付申請を提出すると同時に、商標局に返却しなければならない。
商標登録人は、商標局による商標変更、譲渡、更新証明の再交付、商標登録証明の発行を必要とする場合、又は商標出願人は、優先権証明書類の発行を必要とする場合、商標局に相応の申請書を提出しなければならない。要求を満たした場合、商標局は承認した後に相応の証明を交付する。要求を満たさない場合、商標局は承認せず、その旨を申請人に通知し、理由を知らせる。
「商標登録証」又はその他の商標証明書類を偽造又は変造した場合、刑法の国家機関証明文書偽造、変造罪又はその他の罪に対する規定に基づき、法により刑事責任を追及
する。
第六十五条 商標法第四十九条における「登録商標がその指定商品の通用名称になっている」という事情がある場合、 如何なる組織又は個人も商標局に該登録商標の取消しを請求することができ、請求する際には、証拠資料を送付しなければならない。商標局は受理した後、商標登録人に通知し、通知を受け取った日から2ヶ月以内に答弁を行うよう要求しなければならない。期間内に答弁しなかった場合であっても、商標局の決定は妨げられない。
第六十六条 商標法第四十九条における「正当な理由なく3年間連続して登録商標を 使用しなかった」行為がある場合、如何なる組織又は個人も商標局に、その登録商標の 取消しを請求することができ、請求する際には関連する状況を説明しなければならない。商標局は受理後、商標登録人に対して、通知を受け取った日から2ヶ月以内に、当該商 標の取消請求が提出される前に使用された証拠資料を提出するか、又は不使用の正当な 理由を説明するよう通知しなければならない。期間内に使用の証拠資料を提出せず、又 は証明資料が無効で、かつ、不使用の正当な理由がない場合には、商標局はその登録商 標を取り消す。
前項にいう商標の使用の証拠資料には、商標登録人が登録商標を使用する場合の証拠資料と商標登録人が他人に登録商標の使用を許諾した場合の証拠資料が含まれる。
正当な理由なく3年連続で不使用であることを理由に登録商標の取消しを請求する場合、その登録商標の登録公告の日から満3年後に請求しなければならない。
第六十七条 下記のいずれかの事情がある場合、商標法第四十九条に規定される正当な理由に該当する。
(一)不可抗力
(二)政府政策による制限
(三)破産清算
(四)商標登録者に帰責できないその他の正当な事由
第六十八条 商標局、商標評審委員会が取り消した又は無効宣告した登録商標について、取消し又は無効宣告の理由が一部の指定商品に限った場合、当該一部の指定商品に使用する商標登録を取り消す又は無効宣告する。
第六十九条 他人にその登録商標の使用を許諾する場合、許諾者は許諾契約の有効期間内に商標局に届け出、届出資料を送付しなければならない。届出資料は、登録商標使用許諾者、被許諾者、許諾期間、使用許諾商品又は役務の範囲等の事項を説明しなければならない。
第七十条 商標登録専用権に質権を設定する場合、質権設定者と質権者は書面による質権契約を締結し、共同で商標局に質権登記申請を提出しなければならない。商標局はそれを公告する。
第七十一条 商標法第四十三条第二項の規定に違反した場合、工商行政管理部門は、 期限を定め是正を命じる。期限を過ぎても是正しなかった場合、販売を差し止める。販売差し止めを拒絶した場合、10万元以下の罰金を科する。
第七十二条 商標権保有者は、商標法第十三条の規定に基づき、馳名商標の保護を請求する場合、工商行政管理部門に請求することができる。商標局が商標法第十四条の規定に基づいて馳名商標と認定した場合、工商行政管理部門は、商標法第十三条の規定に違反する商標の使用行為を差し止め、商標標識を没収し、廃棄する。商標標識と商品が分割しがたい場合には、一括して没収し、廃棄する。
第七十三条 商標登録人がその登録商標の抹消、又はその登録商標の一部の指定商品における抹消を申請する場合、商標局に商標抹消請求書を提出し、もとの「商標登録証」を返納しなければならない。
商標登録人がその登録商標の抹消、又は登録商標における一部の指定商品の抹消を申請する場合、商標局が抹消を許可した後、当該商標権又は当該登録商標の指定商品における効力は、商標局がその抹消申請を受け取った日から失効する。
第七十四条 登録商標が取り消され、又は本条例第七十三条の規定に基づき抹消された場合、もとの「商標登録証」は失効し、それを公告する。一部の指定商品における当該商標の登録を取り消した場合、又は商標登録人が一部の指定商品における登録の抹消を申請した場合、改めて「商標登録証」を発行し、それを公告する。
第八章 商標権の保護
第七十五条 他人の商標専用権を侵害する、貯蔵、運送、郵送、印刷、隠匿、経営場所、インターネット商品取引のプラットフォーム等を提供することは、商標法第五十七条第六号にいう「便宜の提供」に該当する。
第七十六条 同一又は類似の商品に、他人の登録商標と同一又は類似の標章を商品名又は装飾として使用し、公衆の誤解を生じさせることは、「商標法」第五十七条第二号に規定される「商標権に関する侵害行為」に該当する。
第七十七条 商標権の侵害行為について、何人も工商行政管理部門に提訴又は告発することができる。
第七十八条 商標法第六十条に規定される違法経営額を計算するにあたり、以下を考慮することができる。
(一)権利侵害商品の販売価格
(二)未販売の権利侵害商品の表示価格
(三)権利侵害について精査した商品の実際の平均販売価格
(四)権利侵害を受けた商品の市場中間価格
(五)権利侵害により、権利侵害者が取得した営業収入
(六)その他権利侵害商品の価値を合理的に計算できる要素
第七十九条 下記のいずれかの事情がある場合、商標法第六十条に規定する「当該商 品を自己が合法的に取得したものであると証明する」ことに該当する。
(一)供給者が合法的に署名、押印した品物供給一覧表と代金領収書があり、かつ、調査を経て真実であると確認され、又は提供者が認めた場合
(二)売買双方が締結した仕入契約書があり、かつ、調査を経て確実に履行されたと確認された場合
(三)合法的な仕入送り状があり、かつ、送り状の記載事項が係争商品と対応している場合
(四)係争商品を合法的に取得したと証明できるその他の場合
第八十条 商標権侵害商品であると知らずに販売し、当該商品を自己が合法的に取得したと証明でき、かつ、提供者を説明した場合には、工商行政管理部門は、販売を差し止めるよう命じ、事件の状況を侵害商品提供者所在地の工商行政管理部門に通知する。
第八十一条 係争登録商標権の帰属が商標局、商標評審委員会による審理中、又は人民法院による訴訟中にあり、事件の結果が事件の性質に影響を及ぼしうる場合、商標法第六十二条第三項における「商標権の帰属に争議がある」ことに該当する。
第八十二条 商標権侵害を摘発するにあたり、工商行政管理部門は、権利者に対して係争商品が権利者により生産された製品か、又は生産を許諾された製品かどうかを鑑定するよう要求することができる。
第九章 商標代理
第八十三条 商標法にいう商標代理とは、委託人の委託を受けて、委託人の名義で商 標登録出願、商標審判又はその他商標関連手続を行うことをいう。
第八十四条 商標法にいう商標代理機構には、工商行政管理部門の登記を経て商標代 理業務に従事するサービス機構と商標代理業務に従事する弁護士事務所が含まれる。商標代理機構は、商標局、商標評審委員会の所管する商標代理業務に従事する場合、下記の規定に基づいて商標局に届け出を行わなければならない。
(一)工商行政管理部門の登記証明書類又は司法行政部門が法律事務所の設立を許可した証明書類を提出して認証を受け、その写しを保管すること
(二)商標代理機構の名称、住所、責任者、連絡先等の基本情報を届け出ること
(三)商標代理に従事する人員のリスト及び連絡先を届け出ること
工商行政管理部門は、商標代理機構の信用記録を作成しなければならない。商標代理機構が商標法又は本条例の規定に違反した場合には、商標局又は商標評審委員会はそれを公開通達し、その信用記録に記入する。
第八十五条 商標法にいう商標代理従業員とは、商標代理機構で商標代理業務に従事 する職員を指す。
商標代理従業員は、個人の名義で自ら委託を受けてはならない。
第八十六条 商標代理機構は、商標局、商標評審委員会に関連出願書類を提出するに あたり、当該代理機構の公印を押し、商標代理従業員が署名しなければならない。
第八十七条 商標代理機構がその代理サービス以外のその他の商標に関する登録出 願又は譲受申請を行う場合、商標局はそれを受理しない。
第八十八条 下記のいずれかの事情がある場合、商標法第六十八条第一項第(二)号 にいう「その他の不正手段により商標代理市場の秩序を撹乱する」ことに該当する。
(一)欺瞞、虚偽の宣伝、他人の誤解を招く、又は商業賄賂等の方式により顧客を誘致する場合 (二)事実を隠し、虚偽の証拠を提供する場合、又は事実を隠し、虚偽の証拠を提供するよう他人を脅迫、誘導する場合
(三)同一商標事件において、利益衝突のある双方当事者から委託を受ける場合
第八十九条 商標代理機構が商標法第六十八条に規定される行為を行った場合、行為者所在地又は違法行為発生地の県級以上の工商行政管理部門はそれを摘発し、摘発状況を商標局に通知する。
第九十条 商標局、商標評審委員会は、商標法第六十八条の規定に基づいて商標代理
機構の商標代理業務の受理を停止した場合、当該商標代理機構による商標代理業務の受理を6ヶ月以上ないし永久に停止する旨の決定を下すことができる。商標代理業務の受理を停止する期間が満了した後、商標局、商標評審委員会は受理を回復しなければならない。
商標局、商標評審委員会は、商標代理の受理停止又は受理回復を決定した場合、ウェブサイトに公告しなければならない。
第九十一条 工商行政管理部門は、商標代理業界組織に対する監督と指導を強化しなければならない。
第十章 附則
第九十二条 1993年7月1日まで継続的に使用してきた役務商標は、同一又は類似する役務区分において既に登録された商標と同一又は類似する場合であっても、引き続き使用することを認める。ただし、1993年7月1日以降使用を3年以上中断したものは継続して使用してはならない。
商標局が新たに開放した商品又は役務を始めて受理する日まで継続的に使用してきた商標は、新たに開放した商品又は役務が同一又は類似する商品又は役務区分において既に登録された他人の同一又は類似する商標がある場合、引き続き使用することを認める。ただし、初めて受理した日以降使用を3年以上中断したものは継続して使用してはならない。
第九十三条 商標登録用の商品及び役務分類表は、商標局が制定し、公布する。
商標登録出願又はその他の商標関連手続の書式は、商標局、商標評審委員会が制定し、公布する。
商標評審委員会の評審規則は、国務院工商行政管理部門が制定し、公布する。
第九十四条 商標局は、「商標登録簿」を設け、登録商標及び関係登録事項を記載する。
第九十五条 「商標登録証」及び関連証明は、権利者が商標権を有する証書である。
「商標登録証」に記載される登録事項は、「商標登録簿」と一致しなければならない。記載が一致しない場合には、明らかに「商標登録簿」に誤りがあると証明する証拠がある場合を除き、「商標登録簿」に準ずる。
第九十六条 商標局は「商標公告」を公布し、商標登録及びその他の関係事項を掲載する。
「商標公告」は、紙媒体又は電子方式により公布する。
送達公告を除き、公布日からは、社会公衆が既に公告内容を知っており又は知るべきであったとみなす。
第九十七条 商標登録出願又はその他の商標関連手続を行う場合には、費用を納付しなければならない。費用納付の項目と基準は、国務院財政部門、国務院価格主管部門がそれぞれ制定する。
第九十八条 本条例は、2014年5月1日より施行する。
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